遺品整理 孤独死/横浜
2010年11月13日
前回の続きとなります・・・各お部屋は、膝丈ぐらいの不用品でいっぱいです。それは台所、通路玄関も含めてとなります。
そして昔ながらの一軒家につきものの物置は大工さんの手作りの木造つくり・・・これがスチール製と違って意外と大きなものが多くこの不要品だけでも軽トラック一杯以上はあるものです。このような物をリサイクルのため手分け分別しながら積み込んでいきます。各自、手馴れた人員は無言で黙々と作業を進めていきます。そしてご遺体のあったお部屋の清掃作業へと進みます。
カーテンにはハエがごま塩のように集っています。防毒マスクを着用し、全員で整理清掃作業をおこないます。殺虫剤を噴霧しながら不要品をパッキングしていきます。この状況は書くに耐えないので割愛させていただきますが、壮絶な作業なので全員で入るのです。そして短時間で作業を終わらせるのです。そして、このような物は清掃法に基づき廃却されます。
この作業をごらんになっていたお客様、「こんな作業をお願いしてしまって本当に申し訳ない・・」とおっしゃいます。このお言葉は、日本人だからこそいえる言葉でしょう。本当に涙が出るほどうれしいものです。
われわれ便利屋は、警察よりの依頼等で、孤独死、自殺、事件現場などの整理清掃を行ってきたわけですが、これは、誰もができるようでけっしてできない作業と思います。また、ベッドタウン横浜でも自殺による整理は地域性があるのですが孤独死にはありません。
人の営みはますます孤立化しているもようです。一人になったとき、生きる気力が徐々に消えていくとき、物であふれかえった現代では想像を絶する世界がつくられてしまうのです。物に幸せを求めた時代・・・それは本当に必要な物だったでしょうか?本物志向・・十数年前こんな言葉がはやり、本物だけが残り、偽者はきえていくと思われていましたが、今は、安価な雑貨・洋服・外食が全盛の時代。人の営みには、本物が最低限あれば十分幸せと思うのは私どもだけでしょうか?生前葬はともかく、生前整理を真剣に考える時代が来ているようです。